パート5頻出問題パターンの一つに動詞問題があります。
動詞の態や自制、主述の一致などが問われる問題で、苦手意識を持っている人が多いパターンです。
しかし動詞問題は3つの視点を意識するだけで、簡単に答えを導き出すことが出来ます。
そこでこの記事では、動詞問題攻略のための3つの視点を解説し、動詞問題で押さえるべきポイントを解説致します。
パート5で必ず出題される問題パターンなので、3つの視点を押さえて自身を持って解答できるぐらいを目指しましょう!
重要な3つの視点はこちらです。👇
①態
②自制
③主述の一致
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動詞問題攻略の1つ目の視点 ~態~
動詞問題攻略の1つ目の視点は「態」です。
態とは、簡単に言えば動詞の形態のこと。能動態と受動態の2種類の態があります。
動詞問題においては、2つの態の見極めが問われます。
2つの態の見極めに大事なポイントは「主語と述語の関係性」と「目的語の有無」です。
①主語と述語の関係
②目的語の有無
主語と述語の関係性
態の見極めに大事なポイントの1つ目は「主語と述語の関係性」です。
能動態は、「Sが~~する」という形で、主語が何かの行為を行っている文のことを指します。
受動態は、「Sが~~される」という形で、主語が何かによって行為・動作を受けている文のことを指します。これがいわゆる受け身の文です。
態の見極めでは、主語が「している」or「されている」の関係性がとても大切です。
以下の例文で確認してみましょう。
The lounges ______ for business-class passengers with a same-day return ticket.
(A) reserved
(B) have been reserving
(C) reserving
(D) are reserved
TEX加藤 (2015)『新TOEICテスト文法問題でる1000問』 アスク出版
(一部内容を変更しています)
上記例文では、述語動詞に受動態か能動態どちらをいれるのかが問われています。
主語である The lounges は予約される側のものなので、空白に来るべき述語動詞は受動態の形をとらなければいけません。
したがって、答えは(D) are reserved になります。
ここで(A) reserved を選んでしまうと、
主語であるラウンジそのものが意志を持って予約をおこなった様な意味合いになってしまいます。
ラウンジが人間のように予約を取るわけではありませんので、能動態にはならないわけです。
このように、動詞の態を問われる問題では、主語と述語の関係性が正解を導き出すポイントです。
目的語の有無
態の見極めに大事なポイント2つ目は「目的語の有無」です。
受動態はそもそも、能動態の文の目的語を主語にして、受け身の形とさせた文章です。
そのため受動態の文章には基本的に目的語がありません。
したがって、述語動詞の目的語の有無で、受動態か能動態かの見極めが可能です。
受動態にならない動詞
英語にはたくさんの動詞がありますが、その中には受動態とならない動詞があります。
それは「自動詞」です。
自動詞とは目的語を取らない動詞のこと。
例えば、run (走る)は自動詞で、目的語が無くても意味が成立します。
反対に目的語を取る動詞を「他動詞」と言い、目的語が無ければ意味が成立しません。
例えば、buy (~~を買う)は目的語が無ければ、聞き手は「何を買ったのだろう??」と必ず疑問に思うでしょう。
このように英語の動詞には「自動詞」と「他動詞」がありますが、目的語を取らない自動詞は受動態にはなりません。
それもそのはず。受動態は目的語を主語に置き換えた形なので、主語になる目的語がそもそも存在しない自動詞は受動態になりえないのです。
以下が受動態にならない代表的な動詞一覧です。
動詞問題攻略の2つ目の視点 ~時制~
動詞問題攻略の2つ目の視点は「時制」です。
時制の問題では、その文が「過去ー現在ー未来」どの時制が正しいのかを選びます。
時制の見極めで大切なことは「時を表すキーワードを見逃さない」・「時制変化に注意する」ことです。
①時を表すキーワードを見逃さない
②自制変化に注意する
時のキーワードを見逃さない
時制の問題では必ず時制を決定するためのキーワードがあります。
「過去ー現在ー未来」のそれぞれによく使われるキーワードがありますので、それを見逃さないようにしましょう。
過去のキーワード
現在のキーワード
現在形は「今現在のこと」はもちろん、「習慣的なこと」や「反復的なこと」も現在形で表します。
未来のキーワード
特殊な時制変化に気を付けよう!
英語には「時制の一致」という考え方があります。
時制の一致とは、「主節とそれに続く名詞節や副詞節等の時制は一致させなければいけない」という英文法ルールの一つです。
しかし、ある特定のパターンの時だけ「時制の一致」が起こりません。
それが以下2パターンです。
①時・条件を表す副詞節内では現在時制
②「要求・提案」を示す動詞、「重要性・願望」を示す形容詞の後に続くthat節内は原形動詞
上記の2パターンは「時制の一致」が起こらないということを覚えておきましょう。
時・条件を表す副詞節内では現在時制を用いる
上記画像の様に、「時や条件を表す副詞節内では、主節で未来形が使われていても現在形や現在完了形が使用されます。」
時制のずれが起こる代表例ですので、しっかり押さえておきましょう。
時や条件を表す接続詞のリストを作成しましたので、把握しておきましょう。
ここで注意しなくてはいけないのは、when/ifは名詞節を導く用法もあるということ。
時制のずれが起こるのは、あくまで副詞節の時だけ。
名詞節が続くときは通常通り「時制の一致」が起こります。
「when/ifがあるから現在形だ!」という考えにならないように気を付けましょう。
見分け方は簡単です。
when/ifの節(文章)を省く。
意味が通る→副詞節
意味が通らない→名詞節
副詞はそもそもただの修飾語で、文構成に絶対必要な要素ではありません。
したがって、副詞節の文章が全てなくなったとしても、主節だけで意味が分かるようになっています。
上記の例文の副詞節の文章は、when he arrives(副詞節) が無くても、we will start the party(主節) だけで意味が通ります。
聞き手も「パーティーを始めるんだな」と話を理解することが出来るでしょう。
では名詞節の文章はどうでしょうか? when he will arrive(名詞節)が無くなった場合に意味が通るでしょうか?
I know(私知ってるよ!)とだけ言われたら、「何を知ってるの?」ときっと聞き返したくなると思います。聞き返さないと分からないということでは、意味が通っているとは言い難いですよね。
それもそのはず。この名詞節の文章では、when he will arrive が動詞 know の目的語として機能している構造になっています。(S+V+O構造)
したがって、know(知っている)の内容はwhen以下の名詞節で説明されています。
というわけで、名詞節の文章が無ければ、know(知っている)の内容を説明できないので意味が通らないのです。
副詞節であれば、文章を省いても意味が通る。→副詞節内は主節が未来形でも現在形。
名詞節であれば、文章を省いてら意味が通らない。→通常通り「時制の一致」が起こる。
「要求・提案」の動詞、「重要性・願望」の形容詞に続くthat節内は原形動詞
特殊な時制変化の2つ目は、「『要求・提案』の動詞や『重要性・願望』の形容詞に続くthat節内は原形動詞が使われる。」というものです。
①の例文では、主節は I proposed(~を提案するの過去形) なので、「時制の一致」から考えると、that節内の動詞も過去形が使われると思うのが普通でしょう。
しかし、propose が「要求・提案」の意味を持つ動詞なので、「時制の一致」は起こらず、that節内では原形動詞が使われます。
②の例文の様に、「重要性・願望」の形容詞が使われるときも同じ現象が起こります。
この現象が起こる理由として、「要求・提案」「重要性・願望」の意味を持つ単語では、続くthat節内の文章が「今現在まだ行われていない過程のこと」を表しているからです。
例えば、①の例文で「商品を買うように勧めた」は勧めただけであって、あなたは実際まだ商品を買っているわけではありません。
that節内の文章は「まだ発生していない事柄」を述べているだけで、あくまで仮定の話です。
昔々に話されていた英語では、こういった仮定の事柄に対して時制を与える概念がなく、現在形を使っていたそうです。その名残が現在にも残っているというわけです。
パート5ではよく問われるパターンですのでしっかりと押さえておきましょう。
その他にも「要求・提案」の動詞、「重要性・願望」の形容詞はたくさんありますので、以下にまとめています。
動詞問題攻略の3つ目の視点 ~主述の一致~
動詞問題攻略の3つ目の視点は、「主述の一致」です。
「主述の一致」とは、主語の人称と単数・複数によって、述語動詞を適切な形に変化させることを言います。
「三単現のS」はこの「主述の一致」の代表例です。
「主語が『三人称・単数・現在形』であれば、一般動詞にSを付ける。」というものでしたね。
三単現のSは分かりやすい例ですが、知らなければ答えにくいものがあります。
それではここでクイズを出題します!
空白に入るものはどちらでしょうか?
Each computer ______ an outdated model.
(それぞれのパソコンは最新モデルである。)
(A) is
(B) are
これはeachが単複どちらを受けるのかが分かっていれば、即答できる問題です。
すぐに答えられない場合は、「主述の一致」について改めて整理しておきましょう。
eachは原則単数扱いとして考えます。
パソコン各1台ずつに焦点を充てているイメージです。
「それぞれのパソコン」と言われると何台かのパソコンを想像し、複数扱いと思ってしまいそうですが単数扱いです。
ここで「主述の一致」に関して、全てを説明するとかなり長くなってしまうので、改めて別の記事でご説明したいと思います。
まとめ
今回は動詞問題攻略のための3つの視点についてご紹介しました。
ここで3つの視点についてまとめておきましょう。
①態
受動態と能動態の見極めが重要!
・主語が「~する」or「~される」どちらか
・目的語の有無
・受動態にならない動詞
②自制
・「時を表すキーワード」を見逃さない
・「特殊な時制変化のパターン」に気を付ける
③主述の一致
単複どちらを受ける主語なのかを把握する
上記3つの視点を組み合わせながら取り組めば、答えを導き出すことは簡単です。
3つの視点を持ちながらたくさん問題を解いて、動詞問題に慣れていきましょう。
そうすれば、動詞問題が得点源となってくれるはずです!